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水没修理

基板修理で復旧できる可能性と修理方法

水没させてしまった iPhone・Android・ゲーム機の基板修理とデータ復旧について、正しい応急処置から本格的な腐食除去の技術まで解説します。

症状の正確な定義

端末が水・海水・ジュース・牛乳・コーヒー等の液体に浸漬、または液体が内部に侵入した状態です。時間経過で腐食が進行するため、最も緊急性の高い症状のひとつです。

混同されやすい症状

「結露による内部水分」は気付きにくいですが、水没と同じメカニズムで腐食を引き起こします。冬季の寒暖差(豪雪地帯・山間部)、温泉地、風呂場での使用後の持ち出しが典型的なシチュエーションです。

原因の切り分け(診断フロー)

水没端末は以下の段階で損傷が進行します。

第1段階:通電ショート(水濡れ直後〜数分)
液体が回路間に介在し、意図しない導通で VCC-GND 間に電流が流れる。電源ON状態で水濡れすると致命傷になりやすい。

第2段階:腐食開始(数時間〜数日)
水分と銅配線の電気化学反応で緑青(銅の塩基性炭酸塩)が発生。特に FPC コネクタ部やBGAパッドが腐食しやすい。

第3段階:腐食進行(数日〜数週間)
BGA 底面への水分侵入、パターン断線、IC 内部腐食。この段階では復旧率が大きく低下します。

基板由来の原因

通電ショート

水濡れ状態で通電することで、本来接続されない2点が導通し、過電流でICが焼損します。

BGA 底面の腐食

BGA パッケージ(PMIC・NAND・CPU 等)の裏側に水分が侵入し、半田ボールが腐食。接触不良の原因になります。

FPC コネクタ部の腐食

ディスプレイ・バッテリー・カメラコネクタ周辺は特に水が溜まりやすく、緑青が発生しやすい箇所です。

パターン断線

基板の銅配線が腐食で途切れ、ジャンパー線による再配線が必要になります。

やってはいけないこと

電源を入れる

通電で基板がショートし、被害が拡大します。既に切れているなら触らないでください。

充電する

電源ONと同じく通電によるショートが発生します。

ドライヤーで乾かす

熱で基板上のチップが溶ける、ガラス接着剤が剥がれる、プラスチック部品が変形します。

振って水を抜く

基板の隅々にまで水が広がり、被害範囲を拡大させます。

米に入れる

民間療法で効果はほぼありません。むしろ米の粉塵が端子に入り込み、清掃が困難になります。

シリカゲルに入れる

軽度なら表面の湿気取りに効果はありますが、既に内部に浸入した水の腐食進行は止められません。

やるべきこと

すぐに電源を切る

通電によるショートと腐食進行を止めるため。既にOFFなら触らずに。

SIM トレイを抜き、見える水分を拭き取る

開口部からの水の排出を促し、空気を通します。

ジップロック等の密閉袋に入れてシリカゲルと共に保管

外気との接触を断ち、腐食の進行を多少遅らせます。

なるべく早く専門店に送る

時間経過で復旧率は急速に低下します。真水で24時間以内、海水なら即対応が推奨です。

基板修理での具体的処置

水没基板の修理プロセス

  1. 完全分解:全ての部品を基板から外し、基板単体で処置を進めます。
  2. 超音波洗浄:無水イソプロピルアルコール(IPA)99%以上に浸漬し、超音波洗浄機で3〜5分を複数回。液体と腐食物を除去します。
  3. 乾燥:ヒーティングプレートで40〜60℃で30分〜1時間、完全乾燥させます。
  4. 顕微鏡下での腐食確認:20〜80倍で観察し、残存する緑青をガラスファイバーブラシで物理除去。腐食が深いパターンはレジストを剥がして銅を露出させ、半田で再生します。
  5. 断線修復:パターン断線箇所を 0.05mm 径エナメル線(ジャンパー線)で再接続します。
  6. ショート点検・IC 交換:通電テストでショートが残っていれば、熱画像カメラで発熱箇所を特定し、該当IC(多くはPMIC・オーディオIC・充電IC)を交換します。
  7. UV硬化樹脂で保護:修復したジャンパー線や露出した銅パターンを絶縁コーティングします。
  8. 動作確認とエージング:数時間の連続動作テストで問題なければ組み立て、返送します。

修理に使用する機材

超音波洗浄機

基板に付着した腐食物・液体残留を物理的に除去

無水イソプロピルアルコール(IPA)99%

水分・油分の溶解洗浄

ガラスファイバーペン

緑青・酸化物の物理除去

FLIR 熱画像カメラ

ショート点の発熱を検出

UV硬化樹脂 + UVライト

修復部の絶縁・機械的保護

0.05mm エナメル線

パターン断線のジャンパー配線

料金について

料金は近日公開予定。お見積もりは無料でご案内します。

無料でお見積もり

※ 最終的な料金は端末の状態診断後にお見積もりを提示します。

料金の詳細を見る →

データ復旧の可否

水没端末のデータ復旧は、時間との勝負です。

データ復旧優先モードでの手順:
1. 基板修理で起動を復旧→バックアップ取得が最短ルート
2. 起動不能な場合は NAND メモリ単体での読み出し
3. iPhone の場合、SEP チップとの紐付けがあり、NAND 単体を新品基板に移植しても復旧できないケースが多い。同世代のドナー基板を用意できれば成功率が上がります。

液体種別の腐食速度:
・純水〜水道水:腐食は遅め、復旧率が比較的高い
・海水:塩分で急速に腐食、早期対応が必須
・ジュース・牛乳:糖分・たんぱく質が残留し、洗浄が困難
・トイレ水:細菌・汚れの除去に時間がかかる

よくある質問

Q. 海に落としました。データ復旧できますか?
A. 海水は塩分で急速に腐食が進むため、到着までの時間が勝負です。お送りいただく前にご連絡いただければ、宅配状況を見ながら準備を整えます。
Q. 水没後、米に入れて1週間経ちましたが動作します。修理は必要ですか?
A. 一見動作していても、内部では腐食が進行しています。数ヶ月後に突然故障するケースが多いため、内部洗浄と腐食点検を強くお勧めします。
Q. 修理できない場合、費用はかかりますか?
A. いいえ、修理不可の場合は送料(着払い)のみのご負担です。診断料は無料です。

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